二十年前に出会っていたとしたら

 

 

「俺たちが見ているのは真実の断片にしか過ぎない。本当の真実とはほど遠いものだ。俺は本当の真実を知りたい。もうゆがめられた真実は、見飽きた」

 

 

このセリフを耳にして、はっ、とくる人も多くいるだろう。

 

これはWOWOWとTBSが共同で制作したテレビドラマ『MOZU』の中で何度も繰り返される。

 

西島秀俊が演じる、主人公の倉木警部が、このセリフをダンディーな声と、渋~い表情で語る。

 

先日知人を前にモノマネを試みたのだが、「誰?」と一蹴されてしまった。

 

もし私が、今から二十年前にこのドラマにであっていとしたら、私の人生は変わっていたかもしれない。将来の夢は「警視庁公安部」となり、今頃は警察内部の内定調査を行い、ことあるごとに「俺たちが見ているのは…」を言葉を吐いていただろう。煙草をふかし、ワイシャツのボタンを開け、細い黒タイを身にまとっていたに違いない。

 

 

いや、まてよ。

もし二十年前、『MOZU』と同時に漫画『弱虫ペダル』を読んでいたらどうだろう?

 

 

こちらについては聡明舎の内部生限定の『聡明タイムズ』に記事を載せさせていただいたが、もし『弱虫ペダル』を同時期に読んでいたとしたら……きっと迷う。

というのも、私は自転車部に入り、運び屋としてエースをゴール前まで運び最後に背中を押す最高のアシストか、あるいは勝利のゴールをもぎ取るエースを目指していただろうからだ。そして高校卒業後はフランスへの道を歩み出していただろうからだ。

 

 

公安警察か、ツールドフランスか。

両方は取れない。きっと究極の選択になったに違いない。

 

 

 

 

……尽きない妄想である。

 

 

 

 

さて現在の私はどういう運命か、聡明舎と出会い、胸打たれ、聡明舎の先生として生徒たちの前に立っている。

 

 

 

生徒たちには、近づきたい誰かや憧れる何かはあるのだろうか?

 

あってほしいなぁ。

憧れが人を作る。憧れが人を挑戦へと向かわせ、挫折と成功の両方を経験するだろうから。

 

 

中間試験間近 。

勉強を通じて、明るく強くたくましい人になってほしい。

 

 

 

まつを