アーマンド・ガララーラとジム・ジョイス

Yeah Man!

 

 

 

 

アーマンド・ガララーラという元MLBの投手と

ジム・ジョイスというこれまた元MLBの審判がいます。

つい先日、たまたま見ていたテレビで知った二人です。

 

 

 

 

今から7年前、

ある試合でガララーラは快投を演じます。

1回から8回までヒット1本はおろか、

1塁ベースも踏ませないパーフェクトピッチング。

このまま9回を終えればMLB史上21人目の快挙になります。

その9回も打者二人をアウトにし、

球場は一気にパーフェクトへの期待で盛り上がります。

最後の打者を一塁ゴロに打ち取り、

ベースカバーに入ったガララーラが1塁を踏んでパーフェクト完成!

…と思ったその瞬間、

塁審をしていたジム・ジョイスが両手を広げセーフの判定。

肉眼で見てもガララーラのベースカバーの方が明らかに速く、

当然、ビデオで見れば誤審であることがはっきりわかる判定でした。

しかし、当時はビデオ判定に持ち込むチャレンジの制度もなく、

結局ガララーラはそのあとの打者をしっかり打ち取り完封勝利。

しかし、パーフェクトゲームとの価値の差は明らかで、

この出来事はメディアを通じて全米中に広まります。

そしてメディアからあらゆる罵詈雑言でジム・ジョイスが叩かれます。

 

 

 

 

試合終了後、ビデオを見たジム・ジョイスは自分の誤審を認めガララーラに謝罪。

翌日、連戦の試合で審判をする予定であったジム・ジョイスは

前日と同じ球場で主審をすることになります。

「この試合から逃げたら、自分は一生審判ができなくなる。」

ジム・ジョイスはそう思って仕事をしに行ったそうです。

試合開始直前、

互いのチームのメンバー表を交換しに主審の元に互いの監督が集まります。

ガララーラのチームからは監督ではなく、

ガララーラ本人がやってきてメンバー表の交換をし、

ジム・ジョイスの肩に手を当て気遣います。

それを受けたジムは思わず溢れた涙を拭いガララーラの肩をたたき返します。

ブーイング一色だった場内が拍手に変わった瞬間でした。

 

数年後、引退したガララーラのもとに訪れたインタビュアーにガララーラが応えます。

パーフェクトゲームにならなかった悔しさよりも、

すごく調子良くあの日のピッチングができたことへの満足の方が大きい。

たった一回のジムの誤審に目を向けるよりも、

それまで数え切れないほど積み重ねてきた彼の正しい判定に目を向けるべきだ。

 

ちょっとガララーラ、あんたカッコよすぎやしませんか?

パーフェクトピッチングよりパーフェクトっす。

 

美談を紹介するのは説教臭くなるのでちょっとな~と思ったのですが、

不覚にも、あまりに感情が揺り動かされてしまったので書いています。

 

 

 

 

ガララーラの言葉を聞いた瞬間、思い出したのは

自分の人生で何度も経験してきたジムのような失敗と

その度に目の前に現れた何人ものガララーラ。

そのガララーラたちに救われて、チャンスをもらって、ここまで来ました。

だから翌日、

仕事に向かうジム・ジョイスの気持ちも僭越ながらわかる気がします。

そんなジム・ジョイスである自分にできることは

少しでも誰かのガララーラになることでしょうか。

今日も、聡明舎にはきっと大小たくさんのジム・ジョイスがやってきます笑

柔和な笑顔で彼らの積み上げてきた素晴らしい行為に目を向けようと思います。

 

 

 

 

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